甘い成熟の誘惑 2
ワトソンに代わって会長となった番頭格のリアソンが定年で間もなく退くとともに、アーモンク(ニューヨーク州)の本社では経営陣の大幅な異動がみられました。
会長にフランク・ケアリーが、社長にジョン・オペルが就任しました。
ソーベルはこれについて、次のように書いています。
「・・・アーモンクにおける大幅な人事異動には、明らかに活力の喪失がつきまとい、それは円滑に行われたとはいえ、会社の将来には新たな疑念が生まれた。
またそれは、企業家精神の時代の終末、プロフェッショナル経営者が会社を支配する時代のはじまりをあらわすものと一般に受け取られた。
これこそ産業成熟化のまぎれもない兆候であった・・・。」
・・・このようにメイン・フレームの大手メーカー間に、明らかにガリバー型寡占体制がIBMを中心に形成されつつあった一方では、コンピューター産業は全体的にはなお、パイオニアや企業家の精神に満ちていました。